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[ CAREERS 04 ]

先輩たちの仕事

三菱地所設計では、異なる職能の先輩たちがチーム体制でプロジェクトを進めていきます。
ここでは、代表的な8つの職能の先輩たちの仕事とその想いを紹介します。
※所属・入社年数はインタビュー当時のものです。

機械設備設計とは?

冷暖房や換気などの空調システム、給排水などの衛生システムといった、空間内の居住性に関する設計と監理を行う。建物の用途によって変化する設備のニーズを、構造や意匠との兼ね合いを考慮しつつ、最高レベルの機能で実現するのが課せられたミッションである。

働く上での指針
基本構想から監理まで、常に最高レベルを追い求める

機械設備の設計では、建物の用途によって異なる設備のニーズを、構造や意匠との兼ね合いを考慮しつつ、最高レベルで実現しなければなりません。まず基本構想・基本計画などのプロジェクト初期段階では、事業者の要望や敷地の周辺環境を汲んだ最適な建物形状と配置、設備システムの提案が求められます。事業者には建築に詳しくない方もいるため、気流解析やエネルギー試算などの手法によって目に見えない空気や熱を可視化するなど、誰にでもわかりやすい説明による提案を心がけています。
基本設計・実施設計に入ると、そこまでの提案を具現化するために図面の作成やコストの算出を行います。設備機器は建物より寿命が短いため、維持管理や更新のしやすさといった細部まで検討することが求められます。
監理段階では、設計図書の内容が工事に反映されているかどうかを確認していきます。現場が進むなかで施工が難しい局面に遭遇したり、場合によっては新しい技術が生まれたりすることもあるため、その都度施工者やメーカーと連携しながら軌道修正をしていく役割も担っています。

機械設備設計部|入社3年目
井上 義之

海外コンペでの提案を、環境・設備計画の理想として

これまででもっとも印象に残っているのは、海外の設計事務所と共同で参加した、シンガポールの都市構想プロジェクトのコンペです。建物内外から都市全体へと、あらゆるスケールを横断しながら理想の都市像について思考し議論した経験は貴重な学びの機会となりました。残念ながらコンペには負けてしまいましたが、エネルギーや生態系はもちろん、情報技術の高度化や働き方の多様化など、これからの社会とライフスタイルにまで想いを巡らせた提案内容は、環境・設備計画における一つの理想として、私の財産になっています。

人の営みを包む環境を、技術者として支えたい

そもそも、設計者としての私のベースには、建物単体ではなく街全体から物事を発想するという視点があります。元々私は美しい建築作品が好きで、学生時代にはデザインにも打ち込みました。しかし、学生時代のフランス旅行で名建築を巡ったとき、美しさに感動を覚えるのと裏腹、そこに人の営みがないことに寂しさを覚えたのです。逆にパリに戻って街を歩くと、なにげない広場や街角で、お茶をしたり、恋人とおしゃべりしたり、人々が思い思いに過ごしている光景がとても素晴らしいものに見えました。自分の進もうとしている道は、建物単体で完結させて終わる世界じゃない。そのことに気付きました。実際に建築をやる以上、人や生態系を含めた環境は避けて通れません。私が機械設備設計を選んだのは、そうした人の営みを包む環境を技術者として提案していく上で、この職能が一つの解だと考えたからです。

未来の建物と環境のために、常に探し、学び続ける

今はあらゆる体験が勉強だと思い、一見職務に関係のない分野についても積極的に知見を広げるように努めています。この姿勢は年次が上がっても崩さないようにしたいです。なぜなら建築や都市を取り巻く状況が絶えず変化する中、常に多様な要求に応える設計者になりたいからです。例えば、最近の建築は「健康」が新たなキーワードになっていますが、すでに健康の定量化が進んでいる医療・薬学の分野から知見を得ておくことで、いつか新しい空間の創造や指標の確立につながっていくかもしれません。どこかに何かしら、街や建築の提案に活用できるヒントはないか、常に探し考えるようにしています。

街全体を活性化と、納益までを見据えた環境の提案を

街全体から建物を考える視点は、三菱地所グループにおける設計部門としての特徴でもあります。例えば丸の内にしても、一号館広場(丸の内ブリックスクエア)のようなアイデアで開発を成功させている事例があります。足元に緑豊かな広場や歴史的な建物を美術館として復元(三菱一号館美術館)させることで都市の魅力を引き上げました。このような都市貢献により、都市再生特区割増容積を受け、建物としての収益を高めることとなりました。開発事業者に寄り添った設計事務所として、街全体の視点に立脚しているからこそ生まれた成功事例ではないでしょうか。
街に賑わいを創出することで経済を活性化させ、建物の納益性を上げていく。設計事務所としては、珍しいスタンスかもしれません。「美しい建築をつくれば良いのだ」ではなく、「こうすればもっと建物や街の価値を高めることにつながり、その環境も素敵になります」。極端にいうと、そんな提案を得意とする会社です。
世界的にみても、丸の内ほどの主要性と規模を持つ街に、100年以上にわたって寄り添ってきた技術者集団はないと思います。私の入社時と違って最近は海外の案件も増えていますが、そんな集団が、より良い未来を志向する国や海外事業者とパートナーシップを組むことで、業務の幅はますます広がっていきそうです。

三菱地所設計を選んだ理由
環境・設備設計者としてまちづくりに携わりたかった

前述したように、私は学生の頃から、人の生活は建物の中で完結せず、同時に建物は環境の一要素に過ぎないと感じていました。また当時、都市や建築の価値を健康や生産性といった要素で測ろうという動きが広がりつつあった中、そうした要素をエリア単位で取り入れていくことが新しい街の魅力につながると考えるようになっていました。三菱地所設計は、丸の内を基盤に、長い歴史を継承しつつも新しい価値を付加してきた技術者集団です。この会社なら、環境・設備設計者として魅力的なまちづくりに携われると考え、ここで働くことを決めました。

学生の皆さんへのメッセージ
新しい出会いと発見を求めて、積極的に外の世界に触れてほしい

学生の皆さんには、視野を広げてさまざまなことに挑戦してほしいと思います。大学での勉強や研究は大切ですが、ぜひ、外へ出てさまざまな世代・分野の方と会い、その価値観や考え方に触れてみてください。業務の中では本当に数多くの人と協働していくことになりますし、建物や街を訪れる人はさらに多様です。他者を理解する想像力や意思疎通の能力を磨いておくことは、長く愛される街や建物を創造する上で大いに役立つと思います。日々忙しいとは思いますが、この点を少し意識すると行動が変わり、新しい出会いや意義のある発見につながっていくと思います。