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特集 歴史的建造物の継承設計

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[ Know-How 03 ]

テナントを呼び込む継承手法――
特定街区制度の活用

日本橋川に沿って特徴的な曲面の壁を見せて立っていた江戸橋倉庫ビルは、
昭和初頭、日本初の都市型倉庫として竣工しました。
これを保存再生した「日本橋ダイヤビルディング」では、特徴的なカーブをもった
既存建物の東西両側部を保存し、それに挟まれた中央部を高層化しています。
特定街区制度を活用することで、300%の容積率割増を受けました。
東京都選定歴史建造物として、建物継承の価値が認められた初めてのケースです。


※本特集は2016年12月に取りまとめたものです。各担当者の肩書きなどは、その当時のものです。

保存した低層側部と、中央の高層部を一体化する
[ 日本橋ダイヤビルディング ]

倉庫の曲面壁は川の流れを表したもの。首都高速の高架で隠れてしまいましたが、新築の高層部に採り入れることで、これを再び感じ取れるようにしています。しかし高層部の荷重を既存躯体にかけるわけにはいきません。施工者とも協議して、高層部を既存部にオーバーハングさせる架構を採用しました。そして低層部と高層部の間に免震を入れる中間層免震構造を採用。これが賃貸オフィステナントへの訴求ポイントにもなり、お客様から喜ばれました。

建築設計三部
柴田 康博

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表現主義の特徴を見せる既存建物の西側2スパンと東側1.5 スパン分を保存。その間に高層棟を建てた。中間階免震のほか、浸水や停電への対策、断水時もトイレ利用を可能にする水循環システムなど、非常時に備える機能を充実させている。

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竣工当時の外観。(写真提供:三菱倉庫)

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断面図。

日本橋ダイヤビルディング[旧三菱倉庫江戸橋倉庫ビル]
都選定歴史的建造物

所在地: 東京都中央区
用途: 事務所・倉庫
竣工年: 2014年
設計者: 三菱地所設計・竹中工務店
構造/規模: S造・RC造・SRC造/地下1階・地上18階
継承種別: 部分保存+開発
旧竣工年: 1930(昭和5)年
旧設計者: 三菱倉庫建築課
旧構造/規模: RC造/地下1階・地上5階