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特集 歴史的建造物の継承設計

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[ Know-How 05

最新技術で「煉瓦造」を継承する

明治末期、曾禰達蔵が三菱社を退社後に手掛け、
国の重要文化財に指定されている煉瓦造の建物を耐震改修するプロジェクトです。
関東大震災と東京大空襲にあいながらも、竣工当時の姿を残すファサードは
慶應義塾大学・三田キャンパスのシンボル的存在。
基礎の下に免震層を設置し、建物を丸ごと免震化する「免震レトロフィット工事」を採用し、
基礎上の根積み煉瓦からドライエリアまで、そのまま保存しながら耐震補強する改修計画が進行中です。


※本特集は2016年12月に取りまとめたものです。各担当者の肩書きなどは、その当時のものです。

構造・意匠・経済合理性から耐震補強の要不要、
適材適所を考える
[ 慶應義塾図書館(旧館)改修計画 ]*進行中

基礎まで含めた構造体自体が重要文化財に指定されているため、上部躯体への補強を最低限に抑えることができる「免震レトロフィット工事」が前提の改修計画プロポーザルでした。ポイントは、途中で増築されたRC造やSRC造の第2・第3書庫は重要文化財指定外のため、どの範囲まで免震装置を入れ、どこまで耐震補強するのか。ファサードには極力影響を与えないように第2書庫も一体で免震化する一方で、使用上問題のない部分の補強は見送るなど、経済的な合理性も考慮した計画を提案しました。古図面から、三菱一号館と同様の煉瓦造耐震技術が用いられていることが分かり、最初から的確な改修手法を提案できたのも当社の強み。現在、実施設計に取り掛かっています。

構造設計部
篠田 悟

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竣工当時の外観。「煉瓦壁と緊結した床鉄骨梁」や「帯鉄の敷き込み」など、明治期の煉瓦造耐震技術が採用されている。(写真提供:慶應義塾)

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左端の土色に塗った部分が第2書庫(この裏手に第3書庫がある)。この増築部も含め、建物表面は煉瓦タイル張りで仕上げられている。

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免震レトロフィット工事の手順。振り子の原理と鉄の技術を利用した最先端の免震装置(球面すべり支承)を採用し、既存基礎の下に設置予定。

慶應義塾図書館(旧館)
国指定重要文化財

所在地: 東京都港区
用途: 大学施設
竣工年: 1912(明治45)年/1928(昭和3)年増改築
設計者: 曾禰中條建築事務所
構造/規模: 煉瓦造・RC造・SRC造/地下2階・地上5階

【 改修工事 】

竣工年: 2019年予定
設計者: 三菱地所設計
継承種別: 保存・耐震改修