WORKS

Vol.2

環境

タスクデスク

2019/2/26

1人1台。パーソナル空調という考え方。

ワークスタイルの多様性や健康志向が重視される今、働く環境を個人が選択できるという考えが注目されています。しかし空気が繋がっている熱環境の場合、個別の設定は容易ではありません。そのハードルを越えた技術がこの「タスクデスク」です。空調は部屋単位という制約を超えて、ひとりひとりが違った温熱環境を選択できる個人単位の空調を可能にしました。

3種類のパーソナル空調によって熱環境を個別に変えられるデスク。照明は手元を照らすタスクライトと、
天井面を照らして空間全体の明るさ感を演出するアッパーライトの2種類。

環境を個人が選択するワークスタイル

空気調和技術はその歴史を通じ、部屋を一つの単位として、温度、湿度、通風などの環境制御が追求されてきました。これがオフィスの場合、ワーカーひとりひとりで嗜好や代謝量、体調が違っていても、全員が同じ設定環境を受け入れなければなりません。暑がりと寒がりが同室する夏場の、冷房設定の難しさはよく聞かれる話題です。一方近年では、画一的、均質的なワーキングから、多様なワークスタイルへの変化、多くの時間を過ごすワークスペースでのヘルスケアが志向され、個人が個別に選択、調整できる仕事環境のありかたが求められています。では、空調はどこまで個人単位のニーズに合わせることができるのでしょうか?

デスクに組み込む空調機能

そのような背景から生まれたのが「タスクデスク」。その名の通り、個々のデスクに空調機能を付加しました。気流、接触、放射といった、熱環境を生み出す3要素を取り込んでいます。前面パネルから冷風を吹き出すのが「気流式」。デスクの前面パネル内に小さなエアコンを組み込んでいます。パネル下部から吸われた空気が冷却コイルを通過して冷え、頭の高さで冷風が吹き出す仕組み。2つのファンを調整しながら送風量を変化させることができます。風量の加減は慎重に行っていて、「顔付近に吹き付ける風」から「手元にふわりと落ちる風」まで、使用者が自分にとって最適な風量をボリュームノブで調整可能。デスクの天板自体を冷やすのが「接触式」。腕を直接冷やすので、外出戻り時など早く涼しくなりたいときに有効です。気流式と接触式は夏場の冷房のみ稼働。「放射式」は天板の裏側、下部放射パネルを設置するもので、夏の冷房と冬の暖房の通年で使用できます。特に冬場に冷えがちな足元をこたつのように無気流で暖房する効果をねらいました。

気流式、接触式、放射式の
3つの熱環境システムを装備

省エネルギーと高効率

個別の空調はコストがかかると思われがちですが、省エネルギーと熱効率の高さを求めたのもこのシステムです。デスクに仕込まれた冷却コイルや接触パネル、放射パネルの冷媒は、OAフロアなどの床下配管を流れる冷水。これをそれぞれのデスクに引き込むのですが、冷水を人体のごく近い位置で使用することで、従来のシステムに比べ格段に熱効率が上がっています。冬場は温水を流し、放射パネルだけ稼働させるシステムに切り替えが可能。また、このタスクデスクは全体を冷暖房するシステムと併用することを前提としています。部屋全体の設定温度を緩和し、空調設備の規模や稼働を小さく抑えられるので、トータルでコストを抑制できるのです。

[特許登録] 登録番号——特許第6342114号 
[特許出願中]特願2015-088046、特願2017-164914、特願2017-164915

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