WORKS

Vol.10

意匠・プランニング

ルーバー自在固定システム

2020/01/06

うねる天井ルーバー。

ルーバーの設置角度を1つずつ変えることで曲面を形成する、ルーバーの固定システムです。ルーバーの固定方法を考えるとき、取り付け本数の多さから、施工性を上げること、つまり規格化や画一化が原則になります。そのためルーバーは直線的、平面的に設置されるのが常でした。これはその制約を超えた、自在な曲面を描ける固定システムです。室内ディスプレイの簡易な方法はありましたが、今回は屋外仕様で、強風にも耐える強度をもつところに特徴があります。

KITTE博多1階ピロティと貫通通路。
片持ち架構による柱の無い空間に、うねる天井ルーバーが設置されている。

建築に動きを加えるルーバー

建築にはタイル壁面、建具格子など繰り返し要素がありますが、なかでも現代建築に特徴的なものは「ルーバー」でしょう。透過性のある「面」としてデザイン要素を構成するルーバーは通常、直線的、平面的に設置します。それは施工性を高めるために、規格化、画一化した設置方法をとらざるを得ないというところにもその要因があります。しかし、この連なりに少しずつ変化を与えると、波の動きが生まれるのがこのルーバーの性質です。ここでは天井面を構成するルーバーの、断面方向、平面方向それぞれで設置角度を漸次変えてゆくことで、大きなうねりを生み出しました。

KITTE博多1階貫通通路の天井。
断面方向、平面方向それぞれでルーバーが設置角度を変えている。

シンプルな構成から生まれる複雑な形

まず鉛直方向の変化は2本の下地パイプを別々にカーブさせることで生み出しました。この下地パイプにルーバーを接続するわけですが、その位置はミリ単位の精度が求められます。連続造形では、少しのズレが目立つからです。この高精度の位置出しを可能にするのが、円筒接合材。円筒と円筒を重ねるとき、その中心距離は一定を保つという幾何学的な性質を利用しました。下地パイプに対して円筒の接合材を接触させるとその距離は正確に保たれるのです。ルーバー材を円筒接合材に取り付け、円筒接合材の端部をU字ブラケットで下地パイプにボルト締めして緊結します。U字ブラケットは幅をもたせ、ボルト接合穴をスリット状に長く遊びをもたせることで、水平方向の角度をある範囲内で自在に変えることを可能にしました。高精度かつローコストな固定システムです。

ルーバー自在固定システムの詳細。

円筒と円筒を接触させることで
高精度な位置を保つ

共同開発|株式会社三菱地所設計、株式会社竹中工務店、近藤金属工業株式会社

ルーバー取付構造
[特許出願中] 特願2016-224150